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院長が日々診療するうちに思う雑感を記す矯正コラムです。

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歯並びが良くなって一番変わること

フルスマイル

当院では治療後に患者さんにアンケートを書いていただいています。その中で最も多い感想は「思いっきり笑えるようになった」というものです。矯正治療前は歯並びを気にして思いっきり笑えなかったり、手で口を押えて笑っていたという患者さんがすごく多いことに私の方がびっくりするぐらいです。

歯並びを治すのは健康のためとよく言われます。歯並びにガタガタがあると、隅々までブラッシングを行うのは難しく、プラーク(歯垢)が残りやすい状態になりがちです。そういう状態が長年続くと、どうしても虫歯や歯周病などにかかりやすくなってしまい、結果的に歯が長持ちしないという可能性が高くなります。また咬み合わせがずれていると顎の関節に問題が出やすくなることもあります。

矯正治療を行う意義というのは、歯並びを整えてブラッシングを含めた口腔衛生管理をしやすい環境を作り、かみ合わせを整えることにより顎の関節や筋肉などの調和を図り、結果として歯を長持ちさせ全身の健康に寄与することにあります。

しかし、残念ながらこの効果はなかなか体感できない部分でもあります。というのも、歯並びが悪いからすぐに歯周病や虫歯だらけになるわけではなく、かみ合わせが悪い方が必ず顎の関節に問題がでるというわけでもないからです。歯並びが綺麗になれば、歯磨きしやすくなったというのは確かに実感できますが、虫歯ができにくくなったとか歯周病にならずに多くの歯が健康で残っているというのは、長い目でみて実感できることだからです。

お答えいただいたアンケートにもあるように、矯正治療を終えて一番直接的に感じられる変化は「思いっきり笑える」ということなのです。「コンプレックスだった歯並びを気にせず思いっきり笑える」そんなことかと思われる方もおられるかもしれませんが、長い人生で考えるとこれはとても素晴らしいことです。楽しいときや嬉しいときに思いっきり笑えないとしたら大変辛いことですし、本心から楽しい嬉しいと思えないことでしょう。そんな状態が続いてしまったら、性格も引っ込み思案で塞ぎこみがちになってしまうかもしれません。矯正治療を終えると患者さんの性格がとても明るくなったり、社交的になるという場面を私は何度も経験しています。楽しいときや嬉しいときに心の底から思いっきり笑えること、これこそが矯正治療で得られる一番大きなことだと私は思います。

2019月02月14日

院長 大西 秀威