Column

院長が日々診療するうちに思う雑感を記す矯正コラムです。

Archive List

小さい頃から矯正治療を始めるメリット

右側正面左側

以前のコラムで、私自身が高校生から大学生にかけて矯正治療を受けていたことをお話しいたしました。矯正治療を受けていたその時は、嫌々治療させられていたというのが正直なところですが、今となってはやってて良かったと心から思いますし、矯正治療を受けさせてくれた親に感謝しています。矯正治療したことに全く後悔はありません。

私の場合は、以前のコラムでご紹介したように歯のガタガタを治すために、上下の小臼歯を4本抜歯して治療しました。また親知らずが横向きに倒れて歯茎に埋まった状態で萌えていたため、大学生の時に上下の親知らずを4本抜歯しています。

上の写真は、矯正治療を受ける前の私の歯並びの状態ですが、自分が矯正治療する立場になって、改めて自分自身の症例を振り返ってみると、歯のガタガタの程度、骨格や筋肉のバランス、口元の出具合等を考えると、小さい頃から治療していたら、おそらく小臼歯を抜歯せずに治療可能だっただろうなあと思います(親知らずの抜歯は、避けられなかったと思います)。私は小学生の頃から、高校生になったら治療を始めると父から言われていました。理由はよくわかりませんが、父は私が高校生になったら抜歯前提で治療すると考えていたようです。私が小学生だった頃は、父(理事長・現副院長)も仕事が忙しく、子供を治療している暇はないという感じだったのかもしれません。

今私が小学生時代の私自身を治療すると仮定すると、上下の歯並びを広げて、奥歯を後ろに下げて、前歯のガタガタを並べる隙間を作る治療をしていたと思います。その時の私に治療に対する協力が得られていたかという大きな問題がありますが、協力が得られていれば、きっと親知らず以外のすべての歯を並べることが可能だったと思います。もしかしたら、その時の私に治療に対する協力を得るのは無理と父が判断したのかもしれません(笑)

矯正治療で小臼歯と親知らずを抜歯しましたが、今現在、何ら問題や不自由はありませんし、咬み合わせも安定していますので、抜歯したことに何も後悔はありません。父にきっちり治療してもらったので、治療には十分満足していますし、感謝もしていますが、抜歯せずに治療できていれば、より良かっただろうなと思います。

大人になってから歯を抜かずに治療しようとすると、治療や装置が複雑になりがちですし、やはり限界があります。子供の頃から成長に合わせて治療することにより、抜歯を避けて治療できる可能性は飛躍的に高まります。子供の頃から治療すると、大人になってから始めるより治療期間はどうしても長くなってしまいますが、大切な歯を抜かなければいけない可能性を大きく減らすことができます。一生のスパンで考えると、そのメリットは余りあるものがあります。自分のお子様の歯並びや咬み合わせに心配をお持ちの親御さんは、ぜひ早めにご相談ください。

2014月12月23日

院長 大西 秀威