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院長が日々診療するうちに思う雑感を記す矯正コラムです。

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口角の位置で表情はこんなに変わるんです【前編】

口元(治療前)口元(治療後)

上の2枚の写真を見たとき、皆さんはどう感じられるでしょうか? おそらく右側の写真の方が、より魅力的に感じられる方が多いのではないでしょうか?実はこの2枚の写真は、当院で治療された同じ患者さんの治療前と治療後の口元を比較したものです。この患者さんは、下顎が前に出ているのを気にして来院され、下顎を後ろに下げる外科矯正を行いました。

治療前は下唇が前に出ており、口角が下がって、少し「への字口」になっています。治療後は下唇が後ろに下がり、自然と口角が挙がって、口元が好印象になっています。下顎が後ろに下がることにより、横顔が美しくなるばかりではなく、正面からの表情も自然と魅力的になっているのがわかっていただけると思います。今回は口角が顔面の表情に与える影響についてお話したいと思います。

口角上 口角真っ直ぐ 口角下

上の3枚の画像は、顔の輪郭や目、髪型などは全く同じで、口角の位置だけが異なっています。左の画像は、にこやかでなんだか楽しそうに見えます。周囲に親しみやすさや安心感を与えます。真ん中は澄ました感じで、どう思っているのかいまいちわかりにくい感じです。人によっては何か我慢しているのかなと思う方もいるかもしれません。右の画像はなんだか不安そうで、何か困っているのかな、不満でもあるのかなという印象を周りに与えます。このように、口角の位置が異なるだけで、周囲の人に与える印象というのは大きく変わります。

日本人は口角を挙げるのが苦手で、普段口角が下がった「への字口」になっている人が多いと言われています。普段からにこやかで親しみやすい表情を作るには、口角を挙げておかなければなりません。そのためには、口角を挙げる筋肉を鍛えるトレーニングが必要になりますが、実はそれだけでは充分ではありません。上記の患者さんのように骨格性の下顎前突(受け口)になっていると、自然と「への字口」になりやすくなってしまいます。口角の位置というのは、骨格の形や筋肉の走行にも影響を受けて変化するからです。

口角と骨格、筋肉の関連については、次回のコラムでお話したいと思います。

2015月04月17日

院長 大西 秀威