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院長が日々診療するうちに思う雑感を記す矯正コラムです。

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歯列矯正と外科矯正

皆様の中には、歯並びを矯正するのに外科手術が必要な場合があると聞いて、驚かれる方もおられると思います。
歯並びや咬み合わせが悪くなってしまう原因にはさまざまものがありますが、上下の顎の大きさが極端に違っていたり、左右に極端にずれていたりすると、歯は正常に咬み合うことができず、不正咬合になってしまいます。 この上下の顎のずれを解消するために行う矯正治療が外科的矯正治療(外科矯正)です。

最近では、歯科矯正用アンカースクリューやセルフライゲーションブラケット等の装置や治療技術の発達により、かつては外科矯正でしか治療できなかった患者様でも外科手術なしで治療できることが多くなってきています。でも、歯科矯正用アンカースクリューを含めた通常の矯正治療では基本的に歯だけの動きになってしまうため、骨格的な問題を大幅に改善することはできません。例えば下顎が出ていることを気にして矯正治療を始めた場合、通常の矯正治療でも受け口を治すことはできるかもしれませんが、下顎の前突感を改善することは難しいです。
外科矯正をしなくても歯並びは綺麗になりますが、外科矯正するかしないかで顔の見た目等治り方が異なるということになります。

また、通常の矯正治療と外科矯正の大きな違いとして、外科矯正には健康保険が適応されるということがあげられます。矯正治療には一般的に健康保険は適応されませんが、外科矯正が必要な場合(顎変形症)や口唇口蓋裂の治療の際には健康保険が適応されます。当院では顎変形症や口唇口蓋裂の治療はともに健康保険で治療が可能です。

しかし、外科矯正にも欠点やリスクはあります。
全身麻酔下で手術を行うため、入院が必要になります。入院期間は術式にもよりますが10~14日程度必要です。
外科矯正を行うには手術前後の術前矯正と術後矯正が必要になるため、治療期間が少し長めにかかります。 口唇や頬に手術に伴う痺れや知覚の麻痺がでることがあります。ただし、これは外科矯正に限らず、どんな外科手術でも起こりえるリスクです。
どんなに矯正治療の技術が高くても、手術自体がうまくいかないと外科矯正は成功しません。そのため信頼できる外科医が必要となります。当院では大阪大学歯学部附属病院口腔外科の経験豊富な先生にお願いしておりますので、心配はありません。

当院では初診時に外科矯正も治療の選択肢の一つになるなと思われる患者様には、外科矯正のお話をさせていただいております。他院ではそんな話は一切言われなかったのにと驚かれる方もおられますが、あくまで選択肢の一つですので、さすがにそこまではと思われる方には外科矯正なしの治療プランも当然提示させていただきます。
あくまで選択肢の一つですので、治療方法によるメリット・デメリットをよくお考えの上、治療方法を選択していただければと思います。

2011月11月17日

院長 大西 秀威