Case

当院で治療を受けられた患者様の治療例をご紹介いたします。

叢生(乱杭歯・八重歯)

歯がデコボコに重なって萌えている状態です。以前は犬歯(糸切り歯)が外に飛び出している(八重歯)のが可愛い、チャームポイントと言われていた時代がありましたが、最近ではあまり好まれなくなってきています。欧米では”vampire tooth”(吸血鬼の歯)と呼ばれ、嫌がられる傾向があります。
顎の大きさと歯の大きさのバランスに問題があることが多く、お子様の時期から治療することにより、成長を利用して歯並びを広げ、多くの場合歯を抜かずに治療することが可能となります。大人の方の場合は、成長がないため歯並びを広げるには限度があり、歯を抜いてスペースを確保し、ガタガタを並べることが多くなります。

患者さんは初診時24歳の男性で、前歯のガタガタを気にして来院されました。前歯はデコボコして上下が咬み合っていませんでした。舌が上下の前歯の間に飛び出す癖があり、まずは口腔筋機能訓練(MFT)を行い、舌の癖を取り除く練習をしました。その後に前歯を並べる隙間を作るため上下顎の第一小臼歯を4本抜去し、セラミックブラケット装置を装着して治療を行いました。上顎の大臼歯部に歯科矯正用アンカースクリューを植立し、スクリューからゴムをかけて前歯を引っ込めました。治療期間は2年11か月でした。MFTを行わずに矯正治療を行うと、治療後に前歯が前に出てきて歯を抜いた隙間が開いてきたり、上下の前歯が咬み合わなくなるリスクが高くなります。治療費に関しては、「Fee」ページの「永久歯列期に治療を開始する場合」を御参照ください。

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叢生(乱杭歯・八重歯)

歯並びがデコボコしている状態です。歯並びがデコボコになってしまう一番の原因は歯の大きさと顎の大きさのバランスが合っていないことです。顎の骨大きさに対して歯の大きさが大きすぎると、歯が並びきらなくなってしまい、歯並びがガタガタになってしまいます。お子様の場合は、成長を利用して骨を広げ、歯を抜かずに治療できることが多いですが、大人の方の場合は、成長を利用することができないため、歯を抜いてスペースを作るか、歯を削って小さくして隙間を確保することが多くなります。

患者さんは初診時32歳の女性で、前歯のガタガタを気にして来院されました。舌側矯正(リンガルブラケット矯正装置)を希望されました。前歯はデコボコして、上顎の右側犬歯が外側に飛び出して、側切歯は内側に引っ込んで下顎の前歯と反対になっていました。前歯のガタガタを並べる隙間を作るため上顎の左右と下顎の左側第一小臼歯、下顎の右側第二小臼歯4本抜去し、リンガルブラケット矯正装置を装着して治療を行いました。上顎の大臼歯部に歯科矯正用アンカースクリューを植立し、スクリューからゴムをかけて前歯を引っ込めました。治療期間は3年8か月でした。リンガルブラケット装置は外から見えませんが、患者さん御自身も見えないため、ブラッシングがかなり難しくなります。表側のブラケット装置以上に念入りに歯磨きをしていただかないと、虫歯ができたり歯周病になるリスクが高くなります。治療費に関しては、「Fee」ページの「永久歯列期に治療を開始する場合」を御参照ください。

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過蓋咬合

上下の前歯の重なりが大き過ぎる状態です。上顎の前歯が下顎の前歯に重なっている量は、通常下顎の前歯の上1/3~1/4程度です。それ以上に前歯の咬み合わせが深いと、過蓋咬合と呼ばれます。過蓋咬合になっていると、下顎の前方への成長が阻害されてしまうため、下顎が後ろに下がって奥歯の咬み合わせがずれ、上顎前突になったり、顎の関節が後ろに押し付けられて顎関節症の原因になることがあります。

過蓋咬合の原因は、多くの場合普段楽にしているときに舌が下顎の横の歯の上に乗ってしまっていることです。舌が乗っかかってしまうことにより、下顎の小臼歯や大臼歯の萌出が抑えられ、高さが低くなってしまい、相対的に前歯の高さが高くなり咬み合わせが深くなってしまいます。お子様の時期から治療することにより、舌が歯に乗る癖を取り除くとともに下顎の健全な成長を促し、よりバランスの取れた安定した咬み合わせを作ることができます。

患者さんは初診時23歳の男性で、前歯の咬み合あわせが悪いことを気にして来院されました。上下の前歯は内側に傾斜して、下顎の前歯は上顎の前歯で完全に隠されて全く見えない状態でした。下顎の前歯は上顎の前歯裏側の歯茎に咬みこんでいて、たまに歯茎が痛くなるとのことでした。下顎の正中は左にずれていました。抜歯は行わずに、セラミックのマルチブラケット装置を装着して治療を行いました。前歯が咬みこんでいるため、このままでは下顎の前歯に装置を着けられないため、まずは上顎だけに装置を装着し、前歯を前方へ傾斜させて下顎の前歯に装置が着けられるように調整しました。その後下顎には装置を装着し、上下顎の歯を全体的に配列いたしました。上下の正中を合わせるため、治療途中から左側の上下顎間にゴムをかけて頂きました。治療期間は2年8か月でした。マルチブラケット装置を着けると、歯磨きが難しくなります。普通の歯ブラシだけではなく、細かい部分を磨く専用の歯ブラシを併用して念入りに歯磨きをしていただかないと、虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。治療費に関しては、「Fee」ページの「永久歯列期に治療を開始する場合」を御参照ください。

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上顎前突(出っ歯)

上顎の前歯が下の歯よりも前に飛び出ている状態です。物を飲み込む(嚥下)時や発語時に舌で上顎の前歯を押す癖がある方や、お子様では指しゃぶり、口呼吸をしている方に多くみられます。お子様の時期から治療することにより、上の前歯を押す癖を取り除き、成長を利用して上顎と下顎の成長のバランスを整えることができます。大人の方の場合は、成長を利用することができないため、歯を抜いてスペースを確保し、前歯を後ろに引っ込める治療を行うことが多いです。

患者さんは初診時14歳の女性で、前歯が出ていることを気にして来院されました。上顎の前歯は大きく出ていて、下顎の正中は右にずれていました。外科矯正を検討いたしましたが、外科矯正を希望されなかったため、通常の歯列矯正で治療いたしました。前歯を引っ込める隙間を作るために上顎の左右第一小臼歯を2本抜去し、セラミックブラケット装置を装着して治療を行いました。上顎の右側大臼歯部に歯科矯正用アンカースクリューを植立し、スクリューからゴムをかけて上顎の前歯を引っ込めました。治療の終盤には細かい咬み合わせの改善のために、上下顎間にゴムをかけて頂きました。治療期間は2年11か月でした。外科矯正なしで無理に治療を行った場合、咬み合わせを完全に合わせられなかったり、後戻りしゃすくなるリスクがあります。治療費に関しては、「Fee」ページの「永久歯列期に治療を開始する場合」を御参照ください。

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下顎前突(受け口)

下顎の前歯が上顎の歯よりも前に出て咬んでいる状態です。普段安静にしているときに舌が下顎の方に落ち込んでいたり(低位舌)、嚥下時や発語時に舌で下顎の前歯を押す癖がある方に多く見られます。遺伝性の場合もあります。お子様の時期から治療することにより、下の前歯を押す癖を取り除き、成長を利用して上下の顎の成長のバランスを整えることができます。下顎の成長具合によっては外科矯正が必要になることもあります。

患者さんは初診時34歳の男性で、前歯が反対になっていることを気にして来院されました。前歯は反対咬合で、上顎の前歯は叢生の状態でした。低位舌が認められました。前歯のガタガタを並べる隙間を作るためと下顎の前歯を引っ込めるために上顎の左右第二小臼歯と下顎の右側第二小臼歯、左側第一臼歯を抜去し、セラミックブラケット装置を装着して治療を行いました。治療の終盤には細かい咬み合わせの改善のために、上下顎間にゴムをかけて頂きました。治療期間は2年0か月でした。マルチブラケット装置は取り外しすることができないため、装置を着けたまま食事や歯磨きをしていただくことになります。普通の歯ブラシだけでは完全に磨けないため、細かい部分を磨く専用の歯ブラシを併用して念入りに歯磨きをしていただかないと、虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。治療費に関しては、「Fee」ページの「永久歯列期に治療を開始する場合」を御参照ください。

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下顎前突(外科矯正症例)

下顎の前歯が上顎の前歯よりも極端に前に出ている場合、外科手術を併用した矯正治療が必要となります。お子様から治療することにより、舌が下顎の前歯を押す癖を取り除いたり、成長を利用して上下の顎の成長のバランスを整えることができますが、成長を完全にコントロールすることはできないため、外科矯正を必ずしも避けられるわけではありません。外科矯正が必要と診断された場合、お子様の間は成長を観察し、高校生や成人になってから治療を開始します。

患者さんは初診時20歳の女性で、受け口を気にして来院されました。前歯は反対咬合で、上顎の右側犬歯が飛び出していました。上顎の左側第二小臼歯はすでに抜去されていました。上顎のガタガタを配列するためと上顎前歯を後退させるために上顎左右第三大臼歯と第二小臼歯を抜去し、マルチブラケット装置を装着して術前矯正を開始しました。2年3か月後、上下顎手術を行いました。入院は10日間でした。退院後、術後矯正を開始しました。術後は、咬み合わせがずれないように上下顎間にゴムをかけて頂きました。治療期間は3年3か月でした。外科矯正を行うと、顎の感覚神経が麻痺したり、痺れが残ったりするリスクがあります。多くの場合、半年以内に感覚は戻りますが、まれに回復しない場合があります。治療費に関しては、「Fee」ページの「顎変形症(外科的矯正治療)や口唇口蓋裂の治療」を御参照ください。

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開咬(外科矯正症例)

奥歯で噛んでも上下の前歯や横の歯が接触しない状態です。嚥下時や発語時に上下の前歯の間に舌を挟む癖があったり、口呼吸が原因になっていることが多いです。お子様の時期に早めに口呼吸や前歯の間に舌を出す癖を取り除く必要があります。成人の方でも治療が可能ですが、歯科矯正用アンカースクリューや外科矯正が必要になることが多いです。

患者さんは初診時20歳の女性で、受け口と前歯で咬めないことを気にして来院されました。前歯は反対咬合で、上顎の前歯は全く咬み合っていない状態でした。上顎の左側第二小臼歯はすでに抜去されていました。舌を上下の前歯の間に出る癖を改善するために、まずは口腔筋機能訓練(MFT)を行い、舌の癖を取り除く練習をしました。その後、上顎の左右のバランスを合わせるためと上顎前歯を後退させるために上顎第二小臼歯を抜去し、マルチブラケット装置を装着して術前矯正を開始しました。1年11か月後、上下顎手術を行いました。入院は10日間でした。退院後、術後矯正を開始しました。術後は、咬み合わせがずれないように上下顎間にゴムをかけて頂きました。治療期間は3年3か月でした。外科矯正を行う場合でも、口腔筋機能訓練(MFT)を行わず低位舌が残ったまま矯正治療を行うと、治療後に下顎の前歯が出てきたり、奥歯の咬み合わせがずれてくるリスクが高くなります。治療費に関しては、「Fee」ページの「顎変形症(外科的矯正治療)や口唇口蓋裂の治療」を御参照ください。

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