矯正治療の目的は、歯並びや咬み合わせを良くして、健全な成長発育を促し、虫歯や歯周病になりにくい口腔環境を作り、お口周りひいては全身の健康や長寿に寄与することにあります。しかし、見た目すなわち審美性を良くするということも矯正治療の大きな目的の一つです。今回は、歯並びが良くなることによって、笑顔の印象がどれほど変わるかというお話をしたいと思います。
上の2枚の写真を見ていただきたいと思います。この2枚の写真は、実は全く同じ写真で、唯一歯並びだけが違う写真です。左右の写真ともに左右の口角が挙がって、自然な笑顔の写真です。全く同じ笑顔にもかかわらず、受ける印象はかなり違います。ちなみに2枚の写真の口角の位置や唇の形は全く同じで、本当に歯並びが違うだけです。
左右の写真を比べてみると、右側の写真は、とても魅力的で素敵な笑顔になっています。心からの笑顔という印象を受けます。それに対し、左側の写真は、笑顔ではあるのですが、何か苦笑いしているような、はにかんだような笑顔に見えます。どことなく不自然な感じで、心からの笑顔といった印象は受けません。さらに、右側の写真の方が、洗練された大人の女性といった印象を受けます。左側の写真は、どことなく幼い印象を受けます。
例えば会社の商談などで、相手の担当の方が上記写真の女性だった場合、どちらの方が好印象かは言うまでもないですよね。少し偏見が入っているかもしれませんが、右側の写真の女性の方が、きっちり対応してもらえそうな気がします。こういった傾向は、アメリカなどの欧米ではより顕著で、歯並びが悪い=歯に対する意識が低い人=高い教育を受けなかった人と思われてしまうことがあります。アメリカでは、矯正治療することがステイタスとなっており、歯並びが悪い人=貧しい家の人と思われてしまうこともあるようです。
日本では、歯並びが悪いからと言って社会的に損をするという場面は、限定的であまり無いかもしれません。しかし、例え日本の会社に就職しても、出張などで海外に出ないといけないこともあるかもしれません。歯並びが綺麗な方が、相手にとって好印象であることは間違いありません。歯並びが悪いことによって、何か大事な機会を失うということが仮にあったとしたら、とてももったいないことです。そのようなことがないように、これから社会人になる方は、ぜひ歯並びを整えておいた方がよいと思います。
2016月07月19日
院長 大西 秀威