ボーダーラインケースは、利点欠点をよく考えて選択を!

抜歯非抜歯ボーダーラインケース

外科矯正ボーダーラインケース

患者さんが初診相談に来られた時に、歯のガタガタの量がひどくて、どう考えても歯を抜かずに治療するのは無理だなとか、骨格的な受け口が明らかで、外科矯正するしか方法はないなとか、その場で治療法が一つに決まってしまう場合があります。しかし、ガタガタの量はそれほでもないが少し歯がでているとか、受け口ではあるけどわずかで、外科矯正しなくてもなんとか治療は可能だなといった場合は、ボーダーラインケースですねというお話をさせていただくことがあります。

ボーダーラインケースとは何かというと、様々な治療法のうち、一つに決めきれるほど決定的なものがなく、選択肢が2つあるいはそれ以上考えられるということです。言い換えると、ボーダーラインケースというのは、この方法がいい(あるいは、しかない)と決めきれないので、ご希望に最も近い選択肢を患者さんご自身で選んでくださいということでもあります。でも、どの選択肢を選んでも、同じような治療結果になるということでは決してありません。治療法が異なれば、当然治療結果も変わってきます。

ボーダーラインケースで多いのは、「歯を抜くか抜かないのか」「外科矯正するかしないか」の2つです。小臼歯を抜いて治療するのか、抜かないで治療するのかで最も変わってくるのは、口元です。一般的にいうと、小臼歯を抜去して治療すると、治療後口元は下がります。歯を抜かないで治療すると、口元は現状維持かやや出ることもあります。元々口元が出ている方でしたら、抜歯して治療した方がいいでしょうが、口元が少し出ている程度でしたら、口元を下げた方がいいのか現状維持でいいのか、患者さんの好みもあり難しいところです。

外科矯正するべきかどうかボーダーラインというケースもよくあります。外科矯正すると、顎の骨を動かすことになりますので、口元のみならず顔の輪郭や下顎のラインをかなり変えることができます。外科矯正しなければ、骨格は当然のことながら変わりませんので、顔立ちが大きく変化することはありません。軽度~中等度の受け口を治すだけでしたら、外科矯正は必要ありませんが、通常の矯正治療だけでは咬み合わせはよくなっても、下顎の形や出ている感じは変化しません。下顎のラインを変えたいとご希望でしたら、外科矯正した方が満足度は高いでしょう。

当院に来院される患者さんの中には、他院で矯正治療を一度受けられた後、再治療を希望され、来られる方も多くおられます。元々口元が出ているのは気になっていたけど、歯を抜かないで治療できると言われたので非抜歯で治療したら、もっと口元が出てしまったとか、外科手術が怖かったので手術なしで治療したけど、やはり下顎のしゃくれた感じが気になるので外科矯正したいと来院される患者さんがおられます。このような二度手間にならないように、ボーダーラインケースであればなおのこと、気になる部分がどこなのかを患者さんご自身でよくお考えの上で、治療法を選択していただきたいと思います。

2016年8月16日

院長 大西 秀威