親御さんご注意を!姿勢が悪いと咬み合わせも悪くなります!

姿勢と咬み合わせ食卓

普段矯正治療をしていると、咬み合わせが悪いお子さんは姿勢も悪いことが多いとよく感じます。姿勢が悪いと、不自然な体勢を筋肉の力で無理に支えることになりますので、筋肉の緊張状態が続き、肩こりや腰痛、血行不良、それに伴う睡眠障害、新陳代謝の低下、肥満などの原因になります。そればかりか、姿勢が悪いと咬み合わせにも悪い影響を与えてしまいます。今回は姿勢と咬み合わせの関係についてお話したいと思います。

動物の体は、基本的な構造として頭、体幹、四肢からできています。人間以外の多くの動物は、基本的に4足歩行しますので、バランス的には非常に安定しています。人間は脳が発達して頭が大きい上に、直立歩行しますので、バランス的には非常に不安定な状態です。人間の脳は体重の約10%程度と言われていますので、ボーリングの球ぐらいの重さがあります。人間はまっすぐ立った時に、頭の重さで体が倒れないように、背骨がS字に曲がってバランスをとるようにしています。

背骨の前弯が大きくなって猫背になると、体のバランスを取るために頭を前に突き出したような姿勢になってしまいます。そうすると口も前に突き出したような形になってしまいますので、上下の顎が前に出た状態(上下顎前突)や歯並びが上下に開いた状態(開咬)になりやすくなります。同じ猫背でも、腰が後ろに極端に曲がった状態になると、頭はバランスをとるために上向きになります。今度は下顎が前に突き出したような姿勢になりますので、下顎前突になりやすくなります。逆に背骨の前弯が少なくフラットな状態だと、頭は下向きになりますので、下顎を後ろに引いた姿勢になります。下顎が前方に出にくくなりますので、上顎前突や前歯の咬み合わせが深い状態(過蓋咬合)になりやすくなります。

姿勢が悪くなる原因は何かというと、遺伝的な要因もありますが、多くは姿勢が悪くなる生活習慣と考えられます。発育期にある子供さんの場合、悪い姿勢のまま成長してしまうと、咬み合わせもどんどん悪い方向に進んでしまう可能性があります。特に注意していただきたいのは、食事の際の姿勢です。

お子さんが離乳食を卒業し、大人と同じような食事を食べるようになると、親御さんと同じテーブルで食事を摂るようになります。テーブルやイスは、大人の方に合わせて作られていますので、お子さんの身長には当然のことながら合いません。イスの高さや子供用のイスで調整できますが、完全に高さを調整することはなかなかできません。お子さんにとってテーブルの高さが低すぎると、自然と頭は下向きの姿勢となります。逆にテーブルの高さが高すぎると頭は上向きになってしまいます。そうすると、知らず知らずのうちに背骨が曲がった状態になってしまい、猫背になったり真っ直ぐになったりしてしまいます。食事は毎日のことですから、その影響は非常に大きいです。

一旦咬み合わせが悪くなってしまうと、それから姿勢を良くしても自然とは良くならないことが多いです。悪くなる前に予防するのが一番大切です。親御さんには、お子さんの食事の際の姿勢にくれぐれも注意を払っていただきたいと思います。木の板や座布団などを使用して、座面の高さをテーブルの高さと合わせて、お子さんができるだけ正しい姿勢で食事ができるようにしてあげていただきたいと思います。

2015年12月26日

院長 大西 秀威