「急がば回れ」が大切なのです!

急がば、回れ以前のブログで保定装置の大切さをお話しいたしました。ガタガタの歯並びや出っ歯、受け口の状態なったりするのは、歯や顎の成長過程で自然にできたものなので、矯正治療で歯並びを綺麗に整えることは、ある意味では無理をしていることになります。そのため歯並びを一旦綺麗にしても、そのままでは元の状態に戻ろうとしてしまいます。これを「後戻り」といいます。せっかく矯正治療しても、戻ってしまっては元も子もありません。できる限り後戻りを少なくするために、歯並びが落ち着くまでつけていただく装置がリテーナー(保定装置)です。

しかし、残念なことにリテーナーをつけていても、後戻りを完全に防ぐことはできません。というもの、元々の歯並びというのは、歯や骨の大きさのバランス、お口の周りの筋肉や舌の癖、呼吸の仕方、姿勢などの様々な要素が複雑に絡み合ってできたものです。歯並びのガタガタや不正咬合というのは、その様々な要因の結果でしかありません。原因の部分を改善せずに、歯並びだけを治療しても、元に戻りやすいことは明らかです。

一度矯正治療したけど、後戻りしてしまったのでもう一度矯正治療したいとのご相談を今まで何度もいただいたことがあります。たいていの場合、リテーナーをちゃんとつけていなかったとか、リテーナー自体つけるように言われなかったという理由が多いのですが、ちゃんとリテーナーをつけていたけど、戻ってしまったということもあります。それは、やはり根本的な原因が解決されていないからと考えらます。その原因の多くは、舌や唇の癖や動きにあることがわかってきています。

当院では、多くの患者さんに矯正治療前に舌のトレーニング(口腔筋機能訓練)を受けていただいています。舌のトレーニングとは言っていますが、舌だけではなく唇の癖や動き、お口の周りの筋肉のバランス、呼吸の仕方など不正咬合の原因になっている様々な要因を取り除き、バランスのとれた後戻りのしにくいお口の環境にしていくレッスンです。

舌のトレーニングをしないと矯正治療できないというものではありませんが、せっかく治療したのに戻ってしまったということにならないように、あらかじめお口の環境を整えておくことが大切だと思います。歯並びを綺麗にしようと思って矯正歯科を受診したのに、まずはトレーニングからというと、「なんで?」と思われる患者さんも多くおられます。早く治療を始めて綺麗にしたいというお気持ちは痛いほどよくわかるのですが、舌のトレーニングの意味を重々ご理解いただきたいと思います。「急がば回れ」です!

2015年2月22日

院長 大西 秀威