笑うと歯茎が見えるのは矯正治療で治るの?

ガミースマイル 治療前ガミースマイル 治療後ミニスクリュー 上顎前歯の圧下

 

新年明けまして、おめでとうございます。
今年も大西矯正歯科クリニックならびにこのコラムを何卒よろしくお願いいたします。

テレビなどを見ていると、芸能人の中に歯並びは綺麗なのに、笑ったときに上顎の歯茎がたくさん見えてしまう方がたまにおられます。笑ったときに歯茎が見えてしまう状態を専門的には”ガミースマイル(gummy smile)”といいます。ガミースマイルだからといって機能的な問題は基本的にはありませんが、見た目がやはり気になるから治したいと希望される患者様も多くおられます。
ガミースマイルを矯正治療で治すことが出来るかというと、答えはもちろん「イエス」ですが、ミニスクリューを使用して比較的治しやすい場合と外科矯正などやや大掛かりな治療を必要とする場合があります。

ガミースマイルというのは基本的に見た目(審美的)の問題なので、必ず治療しないといけないというものではありません。それだけに、どれぐらい歯茎が見えるのは正常で、どれぐらい歯茎が見えるとガミースマイルなのかというきっちりした基準があるわけではありません。それでもあえて言うならば、笑ったときに上の歯茎が1~2mmぐらい見えるのは正常範囲内、それ以上見えるようならやや歯茎が見えすぎかなと思います。

ガミースマイルの原因は何かというと、

1. 上顎の前歯部分の骨の縦の長さが長い
2. 上顎の前歯部分の骨が盛り上がっている(前に出ている)
3. 上顎の前歯が極端に立って萌えている
4. 上顎の前歯部分の歯茎の長さが長い

などが考えられます。

2. と3. は関連があるのですが、横から見た時に上の前歯が立ちすぎて萌えていると(イメージ的にはウサギの前歯のような感じです)、歯の根は歯茎の中でより前方に位置するため、歯根の周りの骨も合わせて前方に盛り上がったようになることがあります。ガミースマイルを気にされている方で、矯正治療で前歯の位置を極端に後ろに下げてしまうと、より前歯が立ったようになってしまい、ガミースマイルがひどくなってしまう可能性があるので注意が必要です。

4. の場合のように歯茎の長さが長い場合は、歯茎を少し切除して短くするのも一つの方法ですが、歯茎の長さが極端に長いということは稀で、多くの場合は前歯部分の骨の長さや形態に問題があります。美容整形の分野では、上唇を上の歯茎と縫いつけて、笑った時に上唇が上に挙がらないようにするという方法もとられているようですが、骨の長さが長いのが原因であれば、そこにアプローチする方がより根本的な治療になると思います。

それでは、矯正治療でガミースマイルをどのようにして治療するかというと、かつてよく行われていたのは外科矯正でした。外科矯正で上顎を骨ごと上方に持ち上げ、それにあわせて下顎も持ち上げて、上顎の前歯部分の骨の長さを短くするという治療をよく行っていました。
外科矯正は4~5mm程度を一瞬で変化させることができるため、効果が確実で非常に有効な方法ですが、入院や全身麻酔の手術が必要なため、どなたにも気軽にお勧めできるというわけにはいきません。

現在最もよく行う方法はミニスクリューを使用した方法です。セラミックなどのブラケット装置に加え、上顎の前歯部分の歯茎にミニスクリューを埋めて、ミニスクリューからゴムをかけて前歯を上(歯茎方向)に持ち挙げる方法です。
上の写真は当院でミニスクリューを使って治療した患者様の写真ですが、ガミースマイルが綺麗に治っています。前歯を上に持ち挙げると、歯茎は歯の位置にあわせて上に挙がって行きます。歯を持ち挙げることにより、結果的に前歯部分の骨の縦の長さを短くすることができるのです。

しかし、ミニスクリューを使用する方法には欠点もあります。

1. 歯根吸収が起こりやすい
2. 治療期間が少し長くかかる
3. 持ち挙げられる量に限界がある

歯を持ち挙げる方法では歯の根の先に力が集中してかかるため、歯根吸収が起こりやすいと言われています。歯根吸収しないように弱い力で少しづつ動かしていくため、歯を持ち挙げるのは時間がかかります。また、持ち挙げられる量にも限界があります(最大でも約3mm程度)。そのため、それ以上に歯茎を持ち挙げる必要がある場合は、やはり外科矯正をお勧めいたします。

このようにガミースマイルを治療することは十分に可能です。歯茎が見えるのが気になる方は、お気軽に当院までご相談ください。

 

<追記(2014年8月11日)>

「外科矯正でガミースマイルはどれくらい変わるの?」のコラムも併せてご覧ください。

2013年1月3日

院長 大西 秀威